忘却曲線のことを、あらためて説明する必要もないでしょう。
東日本大震災の翌年さっそく、津波被害のあった地域に新しい家が建ちはじめています。
五月晴れ爽やかな利根運河のすぐ近く。
昨年に引き続き、今年も運良く久喜地区のフレッシュマンキャンプに少しだけ同席させてもらいました。
新入生たちでグループになり、オリエンテーリングやカレー作りなどに励む雰囲気がまさに新鮮です。
野田のセミナーハウスで開催された5月12日の土曜日とその翌日解散までの間は、
80名を超える参加者全員が誰ひとりお酒を一滴も口にすることなく過ごしました。
この、夜。 3・4年生の上役と言われる本部役員たちが集い、打ち合わせをするというので、
そこに同席させてもらった時のことです。
「野田サッカー部の事例を、どうしたら再発防止できるか。」
責任ある役職に就くメンバーたちは、みんな真剣な眼差しです。
既に臨時拡大部長会議で具体的な処罰は決まっています。
そんな時、同席してくださっていた白石安男先生が僕たちに教えてくれました。
「このすぐ近くに、ミムラさんのメモリアルがある。」
理科大の鹿沢山荘で当時スキーを練習していて、最中誤って樹に激突し尊い命を亡くしてしまいました。
その親御さんが、どうか忘れないで欲しいというお気持ちから、写真のモニュメントをお造りになられたとのこと。
朝食を済ませた後のつかの間の自由時間、参加していた本部役員たちはこの場所をしっかりと確認し、
決意新たにした凛々しい面立ちで通常の業務に戻っていきました。
同じ世代の仲間が、不慮の事故で命を落としてしまったこと。
理科大でスポーツや活動をするもの誰もがいつまでも決して忘れないように。
過去を取り戻すことはできなくても、未来を明るくすることはできます。
機会あれば都度訪れ、そして現在の改善や、将来の希望へ。
(体育局久喜支部フレッシュマンキャンプ2012報告)