10% 削減のあと、10% 増大したら元に戻りますでしょうか。
100 × 0.9 = 90
90 × 1.1 = 99 。
100 → 99 になってしまいますから、同じ状態にはなりませんね。
順番を逆にしてみても、一緒です。
100 × 1.1 = 110
110 × 0.9 = 99 。
これをスポーツの陸上競技に当てはめますと、追い風・向かい風の理論でも考えられます。
風のない日とある日、どちらがランナーにとって有利でしょうか。
(トラック内を周回する、あるいは同じコースを往復するとします)
一見、追い風と向かい風で相殺されそうな感じがしますね。
空気抵抗は風速の2乗に比例して大きくなると言われています。
追い風の時は有利です。背中を押してくれるように、ラクに走ることができます。
問題は、向かい風。
上記の理論と同じように、追い風のメリットよりも大きなデメリットを受けます。
つまり無風なら 100 なのに対し、
風が強ければ強いほどトータルは 99 以下のマイナスになってしまうんです。
例えばこれがスポーツに限らず、50%の増減だとします。すると、こう考えることもできます。
100 が 50 になってしまったら、50 から 100 にするには元手を2倍にする努力が必要。
つまり最初の 100 を 200 にするのと同じくらいたいへんである。
(最初と同じように、×1.5、×0.5 で計算してみますと…)
レベルを落とすことは簡単でも、再び元に戻す事は想像以上に難しいと言えると思います。
筋力の衰えなどにも、同じ事が言えるような気がします。
部活動のスポーツ技術や勉学はもちろん、仕事、趣味、トレーニング、体型維持などなど…
「継続して向上を目指す努力」 この数字の話を元に、その大切さを今一度見つめ直してみるといいかもしれませんね。
参考文献:
『金メダリストは知っていた!』 小林寛道さん監修 水城昭彦さん著
『ゲーム理論トレーニング』 逢沢明さん著